セカンドライフを運営するリンデンラボが新しいチュートリアルを公開している。
これにより新しくアバターを登録したユーザーはこの新しいチュートリアル島から開始することが可能になる。

新しい”ウェルカム・アイランド”の紹介動画はこちら。

こちらの新しいセカンドライフのチュートリアルは、2007年初期からメルティングドッツで運営しているコンテンツと酷似している。
もちろん、メルティングドッツのチュートリアルそのものも、当時はリンデンラボの基本操作解説をベースに作成はしているが、そこに足りないものを数多く付加してきた。

これは、海外の他社チュートリアルからも参考にされ、導入した結果良い数値が反映されてきた、というのも過去の調査データで実証されている。リンデンラボは弊社でチュートリアルを運営している期間中も独自でチュートリアル島をリニューアルしてきていたが、どれもコミュニティゲートウェイ(いわゆる第三者機関によるオリエンテーション)より滞在率や継続率などの数値を上回ることはできていなかった。

 

今回のチュートリアルのリニューアルは、これらコミュニティゲートウェイの成功事例をきれいに取り入れて、オープンしている。
例えばメルティングドッツ独自で開発した(と主張したい)

・一本道 (すぐに抜けだせない)
見渡すことができる空間を制限することにより、操作方法に集中させる。

・足元に矢印
わざとらしく「こっち!」と指示する矢印を足元に設置して誘導。

・降り立った瞬間に移動方法説明を真正面に設置
最初に変なことをするとそこでEscキーを押すまで元に戻せない、という現象を発見したため。

・使用するテキスチャを最小限にする(同じテキスチャを使いまわして綺麗に見せる)
ロースペックのパソコンユーザーでも利用できるようにするため。

当時どうしても欲しかったのが、セカンドライフ登録時に気持ち悪くないアバターで開始できること。
開始後2年ほどこれにこだわり続けていた。専門的に言うと、セカンドライフ開始時にデフォルトで指定のアイテムを所有させる、という機能を希望していたのだが、結局この部分は外部には最後まで提供されなかった。

しかし今回の本家チュートリアルとなると話は別だ。会員登録と同時に、自分の好むアバターを選択可能としている。

 

こうして考えると、我々の活動とは何だったのか。リンデンラボに毎月数万円を支払って、チュートリアルの実験台となり、成功モデルを見つけ出したらまるごと本家で同じものを立ち上げられてポイ捨てされる、ということか。

セカンドライフ内ではプレミアムメンバーに土地と家が提供されるようになった。
プレミアムメンバーであれば追加費用はかからない。
セカンドライフ土地ビジネスで伸びていたMagSLよりも安く、コンテンツ制作場所(プリム置き場)などを無料で提供してしまい、
マグスルのビジネスモデルを完全に食いつぶしている。結果、マグスルのSIM運営も縮小せざるをえなくなった。
マグスル、Second Lifeから撤退へ 「Second Lifeは終わっていない」

 

リンデン・ホームズの紹介動画

リンデンラボは変わった。創業者のフィリップ・ローズデールが抜けてから、3Dインターネットのプラットフォームへと進化する可能性を消して、消して、収益性の安定した、普通のオンラインゲーム運営会社へと変化した。

2007年4月に発売した自分の本においてもセカンドライフのすごいところは「一切干渉しないところだ」と論じた箇所がある。これがセカンドライフの圧倒的に良いところだった。しかし、これがなくなってしまった。

ひとつの会社のトップとして、セカンドライフをビジネスのメインプラットフォームにすることは、外部依存リスクが大きいことは理解していたつもりだった。しかし、リンデンラボのセカンドライフの運営方針変更は皆を不幸にしている。

このままではセカンドライフ内のビジネスは、アイテム販売など本家が想定している範囲でしか成長しない。そして、新しい試みがおこなわれた場合は、失敗した場合はそのまま放置され、成功した場合は本家が横に「公認」サービスを立ち上げてくるだろう。

中国に進出する日本企業が同じ目に遭っていることをよく聞くが、仕組みとしては同様だ。そして、日本国内においてはデジタルガレージ社とAPI利用者も同様の関係性になるだろう。これに対抗するには、ひとつの場所に頼らず、別プラットフォームで同様の技術を使用できるポジションにいておくなどの対策が必要となる。

次にやらなければいけないのは、独自の視点をもって、独自で開発するサービスだ。そうした思いでブルーブリッジでAM6.jpやケイレキ.jpに取り組んできたが、これまた自分の会社の資産とはなっていない。

セカンドライフのような体験型リアルタイム3Dウェブ空間というのは受け入れられる時が来るというのは今も思っている。しかし、それはもうセカンドライフそのものではないのかもしれない。

• Posted in : Meltingdots, Second Life

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